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歯科のお話 1
上顎洞炎 副鼻腔炎
副鼻腔とは、鼻の穴と狭い交通路を介してつながる空洞のことをいいます。この空洞内で炎症が起きている状態を副鼻腔炎と言います。
原因は鼻炎同様、細菌などの感染症や腫瘍・外傷などによるものが多いです。
一方で、犬の歯は人間より長く、副鼻腔と歯の根尖部が近接していることから、歯が原因で感染症を引き起こすことがとても多いのです。
左の写真は原因歯である、左側の上顎犬歯を抜歯し、排膿路を確保した後、上顎洞を洗浄している写真です。中から、湯葉のような菌塊が沢山出てきます。
とってもとっても出てくるので、何度も洗浄します。洗浄後は副鼻腔炎に効果があるとされるマクロライド系抗菌薬で治癒を目指します。
さて、この細菌の正体は何なのでしょうか?
数日後、培養の結果が返って参りました。
Prevotella intermedia
Prevotella oralis
でした。
両者とも嫌気性菌の仲間であり、人間の上顎洞炎の原因菌とされている細菌です。
以前より鼻水のことでご相談をうけていましたが、いよいよ膿様の鼻水に変わってきたため今回の処置となりました。飼い主様は口腔内ケアに非常に熱心な方で、幼少時から歯磨きを実施していらっしゃいました。寿命が伸びて、口腔内の疾患は大きな問題になってきています。
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