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歯が欠けました
当院が得意としている症例としては「臼歯部の破折の修復」があります。
5年前と比較して増加したと考えられる理由は、おやつの多様化があげられます。鹿の角や、輸入物の乾燥チーズなど今までなかったような硬いものが売られるようになりました。
また、10年前に比べ、飼い主さんがご自分のペットの口腔内のケアに関心を持つようになったためと思います。
さて、実際の破折について見てみましょう。
破折はその字のとおり、歯が折れたり欠けたりすることです。犬に関しては、咬合力、歯の形態などの違いから破折の状態は、人と全く違ってきます。
破折の程度にもよりますが、歯の中には神経と血管が走っており、神経が露出してしまうことがあります。
飼い主さんが「歯の表面に赤い点が見える」と言ってよく来院されます。この赤い点こそ破折により神経が露出した状態であり、これを歯科用語で露髄といいます。実際の例をみてみましょう。
最初は激痛が走り、その後、露髄した所から細菌が侵入し、歯の神経が死んでしまいます。
ここに、大切なのはレントゲン写真です。
一見、大きな破折でしたが、歯根の感染はないようです。このワンちゃんの
歯は、CR修復とよばれる方法を用いて破折した部分を補修いたしました。
露髄したままに放置すると神経がむき出しになり、そこから細菌が進入し、血流を介して蜂窩織炎や上顎洞炎を引き起こす可能性があります。
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